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建築 アーカイブ

2007年09月04日

S様邸新築工事・・・

弊社の近所にてS様邸新築工事が行われます。施工店はN工務店様。歴史は古く、地元ではRC(鉄筋コンクリート)や木造など幅広く対応している工務店様です。
さて今回のS様邸は、とびきりの木造注文住宅で、構造材からとてもこだわった住宅です。これから継続的に報告をしていこうと思っております。

今日は土台敷き(大工さんが基礎に土台を置き、上棟の準備をする事)の現場に伺ったのでその報告をします。
今回は基礎パッキング工法を用いています。基礎パッキンの機能は、基礎と土台の間にすき間を開けて床下の換気を促すことにあります。この方法を採用するのは、従来のように基礎に換気口を設ける代わりに用いられます。土台と基礎を分離させるので、土台からの湿気を基礎へ浸透するのを防ぎ、建物の耐久性を向上させる事が可能になりました。また建物の周囲にわたって通気孔ができることになり、全体的に風が通るので、基礎を欠きこんで換気口を設ける場合に比べて、通気量が換気口より多くなるといわれています。
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補足ですが、基礎パッキンの素材は一般的に樹脂製で、メーカーによってはさまざまな工夫を凝らしたものがあります。例えば、防振ゴムを使用したものは、基礎や土台から伝わる不快な音や振動を吸収し、予期しない地震や突風など、外力からくる構造体へのひずみや亀裂を軽減したり、その弾力性と密着性によって基礎と土台を緊密結させるなどの効果も期待できるものもあります。
 さてさて、材木屋なのに、随分脱線してしまいましたが・・・今回の土台にはヒバを使用しております。最近では防腐、防虫加工をした木材を使用する事が多いのですが、今回はヒバを採用しました。ヒバは、もともと防虫効果が高く古くから使用されている木材です。近年では土台に5寸角(150mm)や集成ヒバなどを使用する事も多くなってきました。(その他にも和室造作材やフローリングにも活用されています)ヒバは天然の防虫効果が期待できるため特別に防腐、防虫加工は行いません。(基礎との間には防腐材を塗りましたが)またヒノキチオールという成分を多量に含んでおり、健康にも一役買っています。
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この土台敷きが完了すると晴れて棟上げになるのですが、今回はちょうど台風が来てしまったので、棟上げはしばらくお預けです・・・                                          ・・・続く

2007年09月13日

続 S様邸新築工事  ~上棟~

前回台風のために延期となった棟上げでしたが、9/10に無事行う事が出来ました。実際には小雨が降ったりやんだりととても不安定な状態の中でしたが栄えある一歩を踏み出すことが出来ました。施主様、工務店様におかれましては今回の取材を快く了承くださいまして誠にありがとうございました。この場をお借りして感謝を述べさせていただきます。また同時に皆様のご発展、ご繁栄をお祈りさせていただきます・・・

さて今回の棟上げでヒコネが納めたものをいくつか紹介したいと思います。はじめに紹介したいものは檜(ヒノキ)の柱です。無垢の材料で背割りをしています。
背割りというのは柱の一面を意図的に割り、柱が割れることを防ぐために行います。なぜ背割りをしないと割れるのか?疑問を持つ人もいると思います。それは木材は乾燥が進むと収縮する習性があり、収縮率は木材の部位により異なります。そのため背割りをしていないとどこかが割れてきてしまうのです。背割りをするとその割いた部分が収縮するため割れる事が少なくなります。また柱などは木の芯材を使用する事が多いので薄い板と比べて収縮率が部位により大きく異なるためにそのような現象が起こりやすくなります。また背割りの部分からは外側に開いてくるので、はじめはきれいな正方形の柱でも時間の経過とともに台形になっていきますので、背割りの面をどの位置に使用するかも様々考えられて選ばれています。(後々影響が出にくいところを選びます)これは無垢の柱の定めといったところですが、そのような自然変化を楽しめるのも材木屋冥利につきると私は思います・・・
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しかし最近ではその狂い(上記のような自然変化をそう呼びます)の少ない集成材(薄い板を張り合わせて作る柱)を使用する機会が多く、無垢の柱といっただけでもなかなか貴重な材料なんだなぁと感じる今日このごろです。
そして次に目にとまるものといえば梁(はり)の先端部分の保護シートに包まれた部分です。これは化粧と言って完成時に木材がそのまま出てくるところです。そしてそこを保護シートで守っています。
化粧の部分では役物と呼ばれ、節が無い、また少ない材料が使用されます。なぜかというと、それはきれい?だからですかねぇ?それもありますが昔から木材の節が無い部分は狂いにくい上一本の木から取れる場所が少ないからとても貴重であり、木材のグレードとしても非常に高かったからです。
皆さんご存知かと思いますが、木は年輪を重ねて大きくなります。その中で無節(ムジ)がとれるのは本当に一部分になります。まして大きく長く使用するとなると尚のこと貴重な材料になります。木は同じ寸法に割いてもまったく同じものは存在しないものです。節のある場所が違ったり、板目が違ったりと形は同じでも内容がとても変わってしまいます。皆さんもホームセンター様に行く機会があれば見比べてみると面白いかも知れません。同じようなものでも見方を変えるとなかなか楽しめると思います。
さて個人的な感情が少し暴走してしまいましたが、木材のちょっとした所にこだわるとまた少し違った印象を得られると思います。またこのような情報を発信する機会があれば公開していきたいと思っております。
悪天候ながら順調に棟上げは進み母屋、棟木(屋根部の下地になる材料)まで組み込んだところで本日は終了となりました。立派な建物が完成するのを私たちも楽しみにしております。

2007年12月13日

S建築様 簓子下見塀(ささらこしたみべい)

随分とご無沙汰になってしまいましたが、今回ご紹介する物件は伝統的な作り方の板塀となります。
 板塀といっても様々な様式がありますが、今回S建築様の作成する板塀は、『簓子下見塀』(下見:横板を羽重ねにして張る方法)(簓子:下見を押さえるように縦に張る材、下見に合わせてのこぎり状に欠き込みがある)という旧武家屋敷や上等な和風塀等で利用されている様式を用いております。また上げ裏(軒裏部)は木子舞仕上げ(化粧の細い桟を入れ、その内側に化粧板をはめ込む形)になる予定です。
文化財に指定されているような旧武家屋敷などでは良く見かけますが、最近の建築では洋館が主流となってきており、塀といってもアルミフェンスやブロック塀の類が中心で、それらの工事は大工仕事というより外構工事の業者様が行う事が通例となっています。
 しかし今回の板塀は腕の良い大工さんたちでないと製作する事は至難の業であると私は感じました・・・
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 なぜかというと塀の中心部の『簓子下見』の部分も正面から見ると横板(下見板)に対して縦板があるだけに見えますが、重ねた厚み分一つ一つに対して手作業で欠き込みがしてあります。簓子一本に対して下見板の数だけ欠き込み、それらを10cm程度の間隔に手打ちで打ち付けていくのですから、相当な本数を作る必要があります。そしてまだ施工されておりませんが、屋根部も木子舞、杉化粧板目透かし張り(日本家屋の軒裏で良く使用される様式)にて仕上げる予定という事で一流の大工さんの手間と技術が濃縮されていると伺えます。そういった事を含み、大工さんの長年の経験、センス、技術全てが伴ってはじめて完成する代物と感じました。
さて今回の『簓子下見塀』で使用した主材料は他に類を見ない独創性や、耐久性を考慮してS建築様はヒバを主材料に使用しています。下見板では杉板を使用する事が多いようですが今回は下見板もヒバを使用しています。ヒバは杉に比べ加工にも手間がかかってしまいますが、細部にまでこだわり作る姿にとても感服する気持ちで満たされました。
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 最後になりましたが、今回の取材にご協力いただきましたS建築様、お施主様にはこの場をお借りしまして感謝を申し上げます。また完成した際には画像を更新させていただきます。
材木店も建築に関わる業種ですが、とても勉強になった物件です。今後もこのような物件に関わる仕事がしていきたいと痛感する今日この頃です・・・

2008年07月18日

S建築様 板塀工事 最終章

拝啓 本格的な夏を迎えました。
まずは、S建築様、お施主様、関係者の皆々様、更新の不手際、何卒事情ご賢察の上
お許し下さいますようお願い申し上げます。

      さて、昨年より取り上げさせて頂きましたS建築様物件ついに完成しました!!
                  

下小屋での高度な技術加工、現場で細部への作業等、そして立派な門構えまでの道のりは我々でしか味わえない奥深い、S建築様ならではの物語を目の当りにできたことを光栄に思いたいと感じます!
S建築様も数々の下見塀を拝見され押縁を細かく入れたりと思考錯誤されたようです。

道路からの外観は、あずま屋と本家の取り合いが絶妙です。
また、工事完了後、積雪のあった時期も最高だとのお話でした。

今回、取材に御協力して頂いたS建築様、お施主様、長期に渡りましての御理解、御協力誠に有難う御座いました。

                                                                                                          


       

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